私の北壁 (登頂記シリーズ 1 マッターホルン)



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初めてのアルプス

 1968年の単行本の文庫化。
 今井通子氏の『登頂記シリーズ』の1巻で、1967年の東京女子医大山岳部のアルプス遠征が語られている。その一環としてマッターホルン北壁挑戦が行われている。
 今井氏の半生記ともなっており、少女時代に登山を始めたきっかけ、登山に反対する家族との関係、岩登りへの開眼などにも触れられている。今井氏の文章の魅力的なところは、ざっくばらんというか、こういうプライヴェートなこと、内面まで開けっぴろげに見せてくれるところだ。しかも、ジメジメしたところがなく、無駄に格好付けるようなこともない。
 アルプスへの遠征についても同じで、失敗、喧嘩、不安などが隠さず描かれている。アルプスが意外につまらなく感じられたこととか、マッターホルンの岩壁への失望まで述べられており、面白かった。
 女性ならでは、と言ってしまうと問題かも知れないが、男性の登山記とはまったく違った魅力のある本だ。



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